「残業代は運行手当に含まれている」「固定残業代を払っているから追加の残業代は出ない」 ——会社からこのように説明されていませんか?
しかし、固定残業代(みなし残業代)は、法律上の要件を満たさなければ無効です。 また、有効な場合でも、実際の残業時間が固定時間を超えていれば、超過分を請求できます。
このページでは、固定残業代の有効要件と、無効になるケース、そして超過分の請求方法を解説します。
こんな状況に心当たりはありませんか?
固定残業代チェックリスト
- 給与明細に「固定残業代」「みなし残業代」「営業手当」などの記載がある
- 何時間分の残業代なのか説明を受けていない
- 就業規則や雇用契約書を見たことがない
- 固定残業時間を超えて働いているが、追加の残業代が出ていない
- 基本給と残業代の区別がよくわからない
1つでも当てはまれば、固定残業代が無効または不足の可能性があります
固定残業代とは?
固定残業代(みなし残業代)とは、あらかじめ一定時間分の残業代を毎月の給与に含めて支払う制度です。
例えば「月30時間分の固定残業代5万円を含む」という場合、月30時間までの残業に対しては追加の残業代が発生しません。 ただし、30時間を超えた分は別途支払う必要があります。
この制度自体は違法ではありませんが、法律上の要件を満たさなければ無効となり、 固定残業代として支払われた金額は残業代に充当されず、別途残業代の全額を請求できます。
固定残業代の3つの有効要件
基本給と固定残業代が明確に区分されていること
給与明細や雇用契約書において、基本給がいくらで、固定残業代がいくらなのかが明確に区別されている必要があります。
- 給与明細に「基本給○円」「固定残業代○円」と別項目で記載されている
- 雇用契約書に金額が明記されている
- 就業規則に計算方法が規定されている
「月給30万円(残業代込み)」のように、基本給と残業代が混在している場合は無効です。 「営業手当」「職務手当」などの名称で、残業代かどうか曖昧な場合も無効となる可能性が高いです。
何時間分の残業代なのかが明示されていること
固定残業代が「何時間分」の残業に対する対価なのかが、労働者に明示されている必要があります。
- 「月30時間分の時間外労働に対する固定残業代」と明記されている
- 採用時に書面で説明を受けている
- 就業規則で時間数が規定されている
「固定残業代5万円」とだけ記載され、何時間分なのか説明がない場合は無効です。 また、口頭での説明のみで書面がない場合も、立証が困難となります。
固定時間を超えた分は別途支払われていること
固定残業時間を超えて残業した場合、超過分の残業代が別途支払われていなければなりません。 これは固定残業代の有効性を左右する重要な要素です。
- 毎月の実労働時間が計算され、超過分が支払われている
- 給与明細に「超過残業代」として記載がある
「固定残業代を払っているから、いくら残業しても追加はない」という運用は違法です。 このような運用がされている場合、固定残業代制度自体の有効性が否定される可能性があります。
重要な裁判例
最高裁は、固定残業代が有効となるためには「通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを 判別することができることが必要」と判示しました。この判決により、固定残業代の明確区分性が改めて重視されるようになりました。
会社が「月間180時間以内の労働時間に対して月額41万円を支払う」という契約で、 基本給と残業代の区別がつかないとして、固定残業代としての効力を否定しました。
これらの最高裁判決により、固定残業代の有効要件は厳格に判断されるようになっています。 要件を満たさない固定残業代は無効となり、別途残業代の全額を請求できます。
あなたの固定残業代は有効ですか?
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固定残業代が無効な場合の請求
無効の場合
固定残業代が無効と判断された場合、固定残業代として支払われていた金額は残業代に充当されません。 つまり、実際の残業時間に基づいて計算した残業代の全額を請求できます。
例えば、月5万円の固定残業代が無効の場合、その5万円は基本給として扱われ、 別途残業代(例:月10万円)の全額を請求できます。
有効だが超過分がある場合
固定残業代が有効でも、固定時間を超えた分の残業代は請求できます。
例えば「月30時間分の固定残業代」で、実際に月50時間残業した場合、 超過分の20時間について残業代を請求できます。
多くの会社では、固定残業代を支払っていることを理由に追加の残業代を支払っていません。 しかし、固定残業代の有効要件を満たしていないケースや、超過分を支払っていないケースが多く見られます。 「固定残業代だから」と諦めずに、まずはご相談ください。
確認すべき書類
固定残業代の有効性を判断するには、以下の書類を確認する必要があります。
- 雇用契約書:基本給と固定残業代の内訳、対象時間数の記載
- 就業規則(賃金規程):固定残業代の計算方法、対象時間数の規定
- 給与明細:基本給と固定残業代が別項目で記載されているか
- 求人票・労働条件通知書:採用時の説明内容
- タイムカード・勤怠記録:実際の残業時間を確認
手元に書類がなくても、弁護士から会社に開示請求を行うことで取得できます。 まずはご相談ください。
よくある質問
固定残業代の有効要件(明確区分性・時間明示・超過分支払い)を満たしていない場合、 固定残業代は無効となり、別途残業代の全額を請求できます。 また、有効な場合でも、固定時間を超えた分は請求可能です。
手当の名称だけでは判断できません。就業規則や雇用契約書で 「営業手当は○時間分の時間外労働に対する固定残業代である」と明記されていなければ、 固定残業代として無効となる可能性が高いです。
固定残業時間が過大な場合、公序良俗に反するとして無効となる可能性があります。 月45時間を超える固定残業時間は、36協定の上限規制との関係で問題視されることが多いです。
もちろんです。在職中の方も、退職を検討されている方もご相談いただけます。 相談内容が会社に知られることはありません。
初回相談は無料です。完全成功報酬制ですので、初期費用は原則かかりません。 回収できた金額から報酬をいただく仕組みです。