こんなことで困っていませんか?
- 売上に連動した手当を「残業代」と言われている
- 手当額が月によって大きく変動し、労働時間と関係がない
- 長時間労働なのに、基本給と変動する手当しか支払われていない
- 同僚も同じ状況で困っている
このような状況でお悩みの方は、実は多額の未払い残業代を取り戻せる可能性があります。
本件では、同僚2名で訴訟を提起し、売上ベースの「見込み残業手当」の対価性欠如を主張して、裁判所和解により合計750万円(380万円+370万円)を回収した解決事例について詳しく解説します。
依頼者プロフィール
売上ベースの「見込み残業手当」と言われていました
ご依頼者様2名は、同じ運送会社で大型トラックドライバーとして勤務されていました。会社は「見込み残業手当」を支払っていると主張していましたが、その手当には大きな問題がありました。
売上に連動する「見込み残業手当」
「見込み残業手当」は、月次の売上から一定の経費を控除した金額の一定割合として計算されていました。つまり、労働時間ではなく売上に連動する仕組みだったのです。
この計算方法には、固定残業代として認められるための「対価性」に重大な問題がありました。
労働時間と無関係な手当
- 売上金額に連動:運行単価や荷物量によって変動し、労働時間とは連動しない
- 控除項目も労働時間と無関係:控除される経費等は労働時間と直結しない
- 手当額の著しい変動:月によって見込み残業手当が基本給を大きく上回ることも
- 実態との乖離:見込み残業手当を時間に換算すると月140〜190時間分もの高額な設定となっており、残業代としての実態を欠いていた
同僚2名はともに同じ問題を抱えており、一緒に弁護士にご相談いただきました。
解決までの流れ
[object Object]同僚2名から同時にご相談をいただきました。会社の賃金規程や給与明細を確認したところ、「見込み残業手当」の計算方法が売上ベースであり、労働時間に対する対価性を欠いている可能性が高いと判断しました。
2名とも同じ会社で同様の問題を抱えていたため、同時に受任し、それぞれ別の事件として残業代請求する方針としました。同僚で一緒に請求することで、証拠の共有や主張の一貫性が保てるメリットがあります。
受任後、直ちに内容証明郵便を送付して時効を停止させ、資料開示を求めました。しかし、会社側は労働期間の一部の資料しか発行しませんでした。
任意の交渉では解決が難しいと判断し、未開示期間については推定計算を行った上で、速やかに訴訟を提起することとしました。
2名それぞれについて訴訟を提起しました。訴訟の中で一部の資料は追加で出てきましたが、それ以外については資料がないままでした。そこで、当方は不足期間について合理的な推定計算を行い主張しました。
裁判所は、当方の推定計算をベースとして検討してくれました。
法的な最大の争点は「見込み残業手当が固定残業代として有効か否か」でした。
- 売上連動型の計算方法:労働時間ではなく売上に連動しており、時間外労働の対価とは言えない
- 控除項目との無関係性:控除される経費等の控除は労働時間と直結しない
- 基本給との逆転現象:見込み残業手当が基本給を上回る月が多く、賃金体系として不合理
- インセンティブとしての性質:売上に応じた歩合給・インセンティブとしての性質が強い
運送業における固定残業代の有効性については、国際自動車事件(最高裁判決)などの判例を踏まえ、対価性要件を中心に主張を展開しました。
裁判所は、見込み残業手当の対価性について当方の主張を相当程度認め、和解案を提示しました。
最終的に、2名合わせて750万円(380万円+370万円)での裁判上の和解が成立しました。
結果
あなたにも当てはまるかもしれません
こんな状況に心当たりはありませんか?
- 売上や歩合に連動した手当を「残業代」と言われている
- 手当額が労働時間ではなく、売上で決まっている
- 「見込み残業手当」「業務手当」などの名目で、それが残業代として支払われている
- 月によって手当額が大きく変動する
- 手当が基本給を上回ることがある
- 同僚も同じ状況で困っている
あなたも未払い残業代を請求できる可能性があります
この事例から学べる3つのポイント
固定残業代が法的に有効と認められるためには、その手当が時間外労働に対する「対価」として支払われている必要があります。本件のように売上に連動する手当は、時間外労働の対価としての性質を欠いており、固定残業代として無効となる可能性があります。判例タイムズ1509号に示された判断要素(契約書等の記載内容、使用者の説明内容、実際の勤務状況など)を総合的に検討することが重要です。
運送業やタクシー業界では、売上や歩合に連動した手当を「残業代」として支払うケースがあります。しかし、売上連動型の手当は労働時間と直結しないため、固定残業代としての対価性を欠く可能性があります。国際自動車事件(最高裁平成29年2月28日判決)などの判例も参考に、対価性の有無を慎重に検討する必要があります。
本件のように、同じ会社で同様の問題を抱える同僚と一緒に請求することには多くのメリットがあります。就業規則や賃金規程などの共通証拠を共有できる、主張の一貫性が保てる、会社との交渉力が高まる、弁護士との打ち合わせを効率化できるなどの利点があります。職場に同じ悩みを持つ同僚がいれば、一緒にご相談いただくことをお勧めします。
依頼者の声
大変お世話になりました。無事に解決することができ感謝しております。本当にありがとうございました。またご相談させていただくことがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願い致します。
とてもいい結果になり満足しています。また何かありましたら相談させていただきます。ありがとうございました。