こんなことで困っていませんか?
- 「課長だから残業代は出ない」と言われている
- 「営業手当の中に残業代が含まれている」と説明された
- 部下がいて管理職だけど、労働時間の自由がない
このような状況でお悩みの方は、実は多額の未払い残業代を取り戻せる可能性があります。
残業代請求を多数手がける弁護士が、派遣会社の営業課長が管理監督者性と固定残業代の無効を主張し、250万円を回収した解決事例について詳しく解説します。
依頼者プロフィール
「課長だから残業代は出ない」と言われ続けていました
ご依頼者様は、派遣会社で営業職として約4年間勤務されていました。入社当初は一般社員でしたが、途中から課長職に就任し、支社と営業所の派遣部門責任者として幅広い業務を担当されていました。
多忙を極める日々
「新規営業活動、派遣スタッフの管理・面談、採用業務、部下の指導教育…業務は多岐にわたりました。」
特に大変だったのは、業務時間の問題でした。
- 派遣スタッフとの面談は、相手の勤務時間に合わせるため夜間に及ぶことが多い
- 採用面接も応募者の都合で時間外になることが日常的
- 新規営業の企業訪問も、相手先の都合で定時後になることが頻繁
- 20時を超える残業が常態化していた
会社からの説明
「会社からは『課長だから残業代は出ない』『営業手当の中に残業代が含まれている』と言われ続けていました。一度も残業代が支払われたことはありませんでした。」
「本当に残業代を請求できないのか疑問に思い、弁護士に相談することにしました。」
解決までの流れ
[object Object]聞き取った内容:
- 課長としての具体的な職務内容と権限
- 労働時間の管理状況(タイムカードの有無など)
- 給与の金額と各手当の内訳
- 「営業手当」についてどのような説明を受けていたか
- 経営への関与の程度
依頼者が持参した資料:
- 給与明細(残業代の記載なし)
- タイムカード(出退勤が記録されていた)
- 労働条件通知書
- 「課長」という肩書きだけでは管理監督者とは認められない可能性が高い
- 営業手当が固定残業代として有効か、法的要件を満たしていない可能性がある
- タイムカードで労働時間を立証できる
- これなら請求できると判断
弁護士が会社に対し、内容証明郵便で以下を送付:
- 未払い残業代の請求
- 証拠資料の開示請求
- タイムカード(全期間)
- 賃金台帳
- 給与明細
- 就業規則・賃金規程
- 労働条件通知書
会社側は代理人弁護士を通じて、主に2つの反論をしてきました。
会社側は、ご依頼者が課長として支社・営業所の責任者であり、部下の監督指導、従業員の面接・採用に関する決裁権、業務時間の裁量があったため、労働基準法上の「管理監督者」に該当すると主張しました。
【弁護士の反論】
労働基準法上の「管理監督者」は単なる役職名ではなく、以下の要素から実質的に判断されます:
- 経営会議への参加はなく、経営方針の決定に関与していない
- タイムカードによる出退勤管理を受けており、労働時間の裁量がなかった
- 採用面接は一次面接のみで、最終決裁権は副社長にあった
- 人事考課・昇給・解雇の権限もなかった
- 給与水準も管理監督者にふさわしい優遇とはいえなかった
会社側は、営業手当が30時間分の固定残業代(みなし残業代)であり、賃金規程の変更時に全社員と面談して説明し承諾を得ていたと主張しました。
【弁護士の反論】
固定残業代制度が有効となるためには、厳格な要件を満たす必要があります:
- ご依頼者は営業手当について「残業代ではない」と上司から説明を受けており、固定残業代との説明は一切なかった
- 賃金規程にも営業手当が何時間分の残業代に相当するか記載がなかった
- 承諾したとする書面が存在しなかった
- 30時間を超える残業をしても差額が支払われていなかった
弁護士からの詳細な反論書面と、タイムカードに基づく労働時間の計算資料を提示し、話し合いによる解決を進めました。
会社側も法的リスクを理解し、解決金として250万円を支払うことで和解が成立しました。
結果
あなたにも当てはまるかもしれません
こんな状況に心当たりはありませんか?
- 「課長」「部長」などの役職についているが、経営には関与していない
- タイムカードや勤怠管理で出退勤を管理されている
- 採用や人事評価の最終決定権がない
- 「営業手当」「役職手当」に残業代が含まれると言われた
- 固定残業代について詳しい説明を受けていない
- 残業が多いのに、固定残業時間との差額が支払われていない
あなたも未払い残業代を請求できる可能性があります
この事例から学べる3つのポイント
労働基準法上の「管理監督者」は、単なる肩書きではなく実態で判断されます。
管理監督者と認められにくいケース:
- 経営会議に参加していない、経営方針の決定に関与していない
- タイムカードで出退勤を管理されている
- 採用・解雇・人事評価の最終決定権がない
- 給与が一般社員と大きく変わらない
「名ばかり管理職」には残業代を請求できる可能性があります。
会社が「この手当に残業代が含まれている」と言っても、法的要件を満たさなければ無効です。
無効になるケース:
- 固定残業代であることの明確な説明がなかった
- 何時間分の残業代に相当するか明示されていない
- 固定残業時間を超えた分の差額が支払われていない
- 通常の賃金と固定残業代が区別できない
タイムカードは労働時間を証明する強力な証拠です。
本件では、会社がタイムカードで出退勤を管理していたことが、逆に以下の点で有利に働きました:
- 労働時間の裁量がないことの証拠になった(管理監督者性を否定)
- 正確な労働時間を立証できた(残業代の計算根拠)
依頼者の声
ありがとうございました。解決していただき感謝しております。